取得費不明の相続不動産売却

相続した不動産の取得費と取得日が不明な場合の際の「5%ルール」に対応し、スムーズな相続不動産の売却をお手伝いいたします。

取得費不明の相続不動産売却(鑑定評価・コンサルティング)

譲渡所得の確定申告で5%にしない方法

相談者:両親から相続した不動産を売却したのですが、購入時の契約書がないため、税理士から契約書探してください。って言われて困っています。

当社:購入時の契約書がないと、取得費が5%で計算されて税金が高くなってしまいます。ただし、諦めないで下さい。
弊社は不動産鑑定士が在籍しており、所得税を大幅に減らすサポートをしています。

1.基礎知識

不動産を売却したときは、翌年に確定申告する必要があります。支払う税金は、所得税と住民税です。売却して利益が出たときに支払う必要があります。

  • 買ったときの金額と売ったときの金額を比べて、売ったときの金額の方が高ければ、その差額が利益になります
  • 利益に対して、20%(5年以上保有の場合)の税金がかかります

不動産を売却したときの利益を譲渡所得といいます

そして、譲渡所得の税金のことを譲渡所得税といいます

2.相続不動産の場合

取得費と取得日も相続します。
→つまり、両親から相続した不動産を売却した場合、両親が買ったときの購入価格と両親が買った時点も引き継ぎます

両親がいつ買ったかは、どうやったら分かりますか?
→登記簿をみれば、購入した日が分かります。

両親がいくらで買ったか分からないのですが?
→資料が残っていないので、いくらで買ったのか分かりません。

その場合、どうなりますか?
→その場合、「5%ルール」という非常に厳しいルールで計算することになります。 国税庁が出しているルールなんです。

3.取得費加算の特例

相続税を支払った人限定になりますが、取得費に相続税を加算できる特例があります。
→いわゆる「取得費加算」の特例と言われているものです。
→注意:この取得費加算の特例は、相続が発生してから3年10カ月以内に売却した場合の特例なんです。

相続不動産は、相続発生してから3年10カ月以内に売却した方がいいんですね

取得費加算の特例

相続財産2億円(土地1億円、現金1億円)

支払った相続税5千万円

相続した土地を1億円で売却
2,500万円が土地の取得費に加算できる。

つまり、
取得費加算の特例を使うと、
譲渡所得=売却価格ー購入価格ー諸経費ー(取得費加算の特例2,500万)
2,500万を加算でき、節税になります。

→相続した不動産の売却を考えているのでしたら、早めに売却しましょう!

4.相続した不動産の譲渡所得

両親から相続した不動産を売却しましたのですが、購入金額はなにをみたらよいですか?
ご両親が購入したときの売買契約書が残っていないのですね?
はい。亡くなった人が買ったときの金額で計算する必要あります。
両親がいくらで買ったのか分からないのですが、、、?

その場合、国税庁が厳しいルールを決めていまして、いわゆる「5%ルール」と言われています。
5%ルールとは、買ったときの金額が不明である場合には、売ったときの金額の5%を取得費とみなして計算することができる、というルールです。

例えば、相続不動産を1億円で売却しました。
>でも、両親がいくらで買ったか不明な場合、1億円の5%、つまり500万で買ったとみなして譲渡所得を計算するルールです。
1億円-500万=9,500万円に税金がかかるんです。

9,500万×20%だと、1,900万!?の税金ですか。
え?せっかく高く売れたつもりなのに、そんなに税金かかるんですか?
でも、両親が買ったのは10数年前ですから、そんなに安く買っていないはずです。

5.取得費査定のコンサルティング

そんなに安く買っていないはずなのに納得できません

そんな方に弊社がお力添えいたします。

法令では、「5%としなければならない」ではなく、
5%とすることができる」と書いてあるのです。
つまり、5%ルールは取得費不明な場合に強制されるものではなく、任意のルールなんです。
5%とすることができるし、5%としなくてもいいのです。

ただし、注意点があります!
5%ルールを選ばない場合、ちゃんと説明できるだけの合理的な計算が必要です。
合理的に、過去の購入金額(取得費)を計算できれば、その金額を購入金額とみなして申告することも認められています。

過去の取得費を合理的に計算する方法

  • 購入当時の抵当権設定額から計算する方法
  • 前所有者または、購入時の仲介会社へのヒアリング
  • 借入金融期間への問い合わせ
  • 分譲マンションであれば、販売時のパンフレット
  • 分譲地であれば、販売時のパンフレットまたは分譲会社にヒアリング
  • 売主さんの記憶もヒアリング(だだし、証憑資料にはならない)
  • 領収書の有無を確認
  • 不動産鑑定士が整備しているデータベースから確認
  • 宅建の協会で整備しているデータベースで確認
  • 国会図書館で過去の路線価から計算する方法
  • 地価公示価格の推移
  • 都道府県地価調査価格から計算する方法
  • 市街地価格指数の推移

これらの計算方法から、対象物件の査定方法が何が一番合理的かを判断します。
客観的かつ合理的に説明できる計算が必要です。

サポートの可否

  • 購入当時の地目を閉鎖登記簿または古地図などで確認
  • 購入してから売却するまで、道路の接面に変化はないか?
  • 購入したときは第三者から買っているか?親族間取引ではないか?
  • 売却したときは第三者に売却したか?親族間取引ではないか?
  • 交換や買換え等の特例で差金が発生していないか
  • 地目が宅地等であること
  • 売却したのが個人であること
  • 購入したときと売ったときで大きな変化がないこと(合筆、分筆、地目変更、共有、底地→所有権など)
  • 航空写真で利用状況が確認できるか

6.5%ルール以外の申告は認められるの?

税金で争いになった場合の裁判所があります。
国税不服審判所です。

国税不服審判所の裁決事例(平成12年11月16日)において、5%以外の算出方法が明示されました。

https://www.kfs.go.jp/service/JP/60/19/index.html

この裁決事例では「市街地価格指数」を用いる方法を明示しています。

市街地価格指数とは、一般財団法人日本不動産研究所の不動産鑑定士等が全国主要都市の宅地価格の調査をし、指数化したものです。
市街地価格指数で計算すれば、絶対に認められるというわけではありません。
市街地価格指数で計算して、申告して否認された例もあります。

弊社では、国税不服審判所の裁決事例を読み込み、合理的に説明できる計算方法をしています。
また、不動産鑑定士 竹内靖治は、一般財団法人日本不動産研究所に13年間在籍し、市街地価格指数の調査にも携わってきました。

当社では、個別の物件ごとに、不動産鑑定士が合理的な取得費を計算しております。

7.成果報酬制

取得費計算のコンサルティングは、成果報酬制です。

報酬=節税額×30%+消費税

※着手金として半金、コンサルティング終了時点で残金を受領いたします。
※万が一、税務署から否認された場合には、受領した報酬は全額返金いたします。

8.お客様にリスクはありますか?

取得費計算のコンサルティングは、当社の不動産鑑定士が担当します。
また、確定申告については、提携している税理士のご紹介が可能です。
確定申告した後、税務署から問合せがあった場合には、税理士または不動産鑑定士が対応しますので、お客様のご対応は不要です。

合理的な計算に基づいて取得費を査定しますが、100%認められるという保証はありません。
確定申告でしたら、どんな税金でも同じですが、税務署が申告書類をチェックし、場合によっては修正申告を求められるケースもあります。
不動産を売却した譲渡所得税に限らず、相続税、法人税などすべて一緒ですね。

お客様にリスクがあるとすれば、計算方法が認められず、修正申告になった場合、延滞税がかかる場合が考えられます。

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